「DX」って最近よく聞くけど、要はデジタル技術で仕事のやり方を変革しましょうってことですよね。花屋にとってDXというと難しく聞こえるかもしれませんが、小さな工夫から始められます。
私も正直パソコンは詳しくないんですが、それでも在庫管理をスプレッドシートでやってみたり、LINEでお客様とやり取りしたり、少しずつデジタル活用しています。
ここでは、花屋向けのDXツールとその使いこなしポイント、導入事例をわかりやすく紹介します!

花屋向けDXツールの種類
花屋の業務で使えそうなデジタルツールを、大きく3つに分けてみます。
- 在庫管理ツール – 仕入れた花の数や売れた数をデジタルで記録・把握するソフト
- CRM(顧客管理)ツール – お客様の情報や購入履歴を管理し、販売促進に活かすシステム
- ECプラットフォーム – 前回記事で話したオンラインショップ運営を支えるサービスやアプリ
在庫管理ツール
切花や鉢物は鮮度が命。「あれ、この花いつまであったっけ?」なんてヒヤリとした経験、花屋ならあるあるですよね。在庫管理ツールを使えば、仕入・在庫・売上を一元管理できます。例えば、市販の業務ソフトでは「在庫らくだ」「かるがるできる在庫」なんてツールが挙げられます。
最近はクラウド型のPOSレジ(スマレジなど)にも在庫管理機能がついていて、売れると在庫が自動で引き落とされる仕組みもあります。
💡 使いこなしポイント: 最初に商品マスタ(花の種類など)をきちんと登録すること。あとは日々の販売時にちゃんと入力すれば、「何が何本売れたか」「残りは何本か」がすぐ分かります。在庫が把握できると、仕入れすぎによるロス削減や、逆に売れ筋商品の欠品防止(機会損失防止)につながります。「おかげで廃棄が減って利益が増えた!」なんて声もありますよ。
CRM(顧客管理)ツール
花屋はリピーター商売とも言われます。一度来てくれたお客様にまた来てもらうには、一人ひとりを大事にしたいですよね。CRMツールを導入すると、お客様の購入履歴をパッと確認できて、「前回はバラの花束をご購入でしたね。今年もいかがですか?」なんて提案がスムーズになります
実例では、長崎の老舗花徳フローリストさんが「Zoho CRM」を導入し、過去の購入履歴を元にお客様に寄り添った提案ができるようになったといいます。紙の台帳で探していた頃に比べて、ミスも減りお客様の反応も良くなったとか。
また、LINEを活用したCRMも注目です。長野のヌボー生花店さんでは、紙のポイントカードを廃止してLINEで会員証を管理し、常連客とのコミュニケーションに成功しています。その結果、顧客の7割が常連さんという理想的なお店作りに役立っているそうです。
LINEでクーポン配信やイベント告知を行い、お客様も「カードを無くさなくて済むし便利」と好評とのこと。
💡 使いこなしポイント: 顧客管理は**「使ってなんぼ」**です。導入しても情報を入力しなければ宝の持ち腐れ。まずはお客様の名前や購入内容をコツコツ記録する習慣をつけましょう。
LINE連携なら、お客様にQRコードを読み取ってもらい会員登録してもらうだけでもOKです。あとは誕生月にクーポンを送る、半年来店がない方にDMする等、データを元にアクションを起こすことが肝心です。
ECプラットフォーム
こちらは前回詳しく触れたECですが、DXツールとして改めて。ネットショップ作成サービス(ShopifyやBASE、ストアーズなど)や、既存の花屋ネットワーク(花キューピットなど)は、花屋の販路拡大に役立つプラットフォームです。スマレジなどPOSレジと連動できるネットショップもあり、店舗とオンラインの在庫を同期して管理することも可能です。
ヌボー生花店さんの例では、Shopifyでネット注文を受けつけつつ、スマレジを中心としたオムニチャネル体制を作ろうと計画中とのこと。
店頭・電話・FAX・ネットと複数の注文窓口をまとめて管理する仕組みづくりですね。「お客様にとって使いやすいシステムが最優先」と語っておられて、まさにDXの方向性だと感じます。
💡 使いこなしポイント: ECプラットフォーム選びはお店の規模と目的次第。手軽さ重視ならBASEなど、カスタマイズ重視ならShopifyなど、自分に合ったものを選びましょう。
導入したらSNSと連携したり、アクセス解析を見て商品配置を工夫したりと、PDCAを回すことでどんどん使いこなせるようになります。最初は受注が入ったらメール通知→店舗スタッフが対応、くらいシンプルでも十分です。
デジタル導入事例と使いこなしのコツ
先に挙げた以外にも、いくつか花屋のDX導入事例を共有します。
- ケース: 老舗花屋のCRM導入 – 75年続く花屋がZoho CRMを導入。高齢のスタッフもいたがサポートを受けながら1ヶ月で使いこなせた。
効果: 提案の質向上とミス減少でお客様満足度アップ - ケース: 地域花屋のLINE活用 – 前述のヌボー生花店。LINE会員証でポイント管理し、常連比率70%を実現。
効果: 紙管理の手間削減&リピート率向上。 - ケース: 中小店のIT支援活用 – 「IT導入補助金」を利用してPOSレジとECを導入した花屋も多いです。ある花屋さんは国の補助金を活用して大きな決断を下したと語っていました
効果: コスト負担を抑えて最新システムを導入できた。 - ケース: 配送管理のDX – 配達管理アプリを使い、配達ルートの効率化や不在時の再配達連絡を自動化した例も。
効果: 配達業務の効率アップで営業に回せる時間が増えた。
デジタル活用で新規開拓を加速するには、まず今いるお客様に満足してもらいリピートや紹介を増やすことが近道です。
CRMで顧客フォローが充実すれば常連さんが増えますし、その評判がお友達に伝わるかもしれません。
またSNSやECを通じて今まで接点のなかった層にもリーチできます。データ分析すれば、例えば「法人向け大口需要が見込めそう」とわかれば、そこに営業を集中するといった戦略も立てやすくなります。
数字に基づいた判断で無駄打ちしない営業ができるのはDXの強みですね。
まとめ:デジタル活用で花屋はもっと強くなる
最後に、花屋のDX推進についてポイントをまとめます。
- 目的を明確に:闇雲にIT化しない。「常連客を増やしたい」「在庫ロスを減らしたい」など目的を決める
- 合ったツールを選ぶ:小規模店ならシンプルなツール、大型店なら本格システムなど規模に応じて選択
- 段階的に導入:一気に全部変えるのは大変。まずPOS導入→次にCRM連携→最後にEC展開、のようにステップを踏む
- スタッフ教育とサポート:導入時にちゃんと使い方研修をする。ベンダーサポートやマニュアルを活用
- データを活かす:入力したデータを分析し、品揃えや営業戦略の改善につなげる。使ってこそ価値が出る
デジタルツールはあくまで道具ですが、上手に使えば花屋の営業力を底上げしてくれる心強い味方です。私も最初は戸惑いましたが、今では「このお客様は〇〇がお好き」とすぐ分かるので接客トークが弾みますし、在庫管理のおかげで廃棄ロスも減りました。
家族にも助けてもらいながら、これからもDXで進化する花屋を目指していきたいと思っています。「花屋の営業スキルは低い?」なんて言わせない、デジタルも味方につけた新時代の花屋像を、一緒に作っていきましょう!
<参考資料>
花屋の事業再構築(新ビジネスモデル)をITで応援する展開事例
ITシステムの導入で花屋の業務が効率化
【生花店 事例】7割が「常連さん」。愛されるお店作りに役立つLINEを活用したCRM。
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